危険なスリング、おひなまきと先天性股関節脱臼、乳幼児突然死症候群(愚痴)

スリングやお雛巻きで、赤ちゃんを殺そうとしてませんか?

  • お雛まきは魔法の寝かしつけ、ぐずらずらくちん、夜の寝返り防止、防寒になる♪
  • スリングは抱っこ紐より軽量、ストールで代用可能、安価、手作り可能
色々な言葉で食いついて、スリングを使う方、おひなまき(スワドリング)で寝かしつける方、いらっしゃると思います。

でも、よくよく調べたら、意外と危険?
股関節脱臼やSIDSの可能性?
本当なの?

そんな疑問を持った方が、このページを開けたのだとしたら、本当に必要な物なのか、赤ちゃんの立場で考えてください。
あなたは身動きの取れない布切れで荷物のように運搬されたいですか?
歩けず、寝返りもうてない状態で、コミュニケーションの手段である手足を押さえつけられたいですか?
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死亡率は13倍増加?!危険なスワドリングスリングとお雛巻のデメリット8つを解説【窒息死、転落死、先股脱、突然死】

先天性股関節脱臼が増えています

「先天性」と和訳されていますが、生まれたときから完全に抜けている赤ちゃんの割合はそう高くありません。しかし、股関節脱臼になる因子(要因)を持って生まれてくる赤ちゃんはいます。
この生まれ持った素因に環境因子が加わると、股関節脱臼児となることがあります。
つまり、防ぐことが可能だったのに、先天性股関節脱臼児が完成してしまいます。

これまで、オムツ着用方法(おしめの腰の部分をギュウギュウに締めない)の指導等により、減少の一途をたどっていた先天性股関節脱臼の割合は、スリングが流行りだしてから増加しています。
子育てひろばなどに出入りすると、スリングをつけたお母さん、ママさんたちに会うこともあります。
そして、検診でひっかかって様子見、と言っている方もいらっしゃいます。
もちろん、何事も無く過ごしてらっしゃる方もいますし、手術までいくだろうな、と、漏れ聞こえてくる話を聞きながら思うこともあります。
相手も私が女医だとは思ってもいないので、世間話のように話されるのですが…

やめといたほうがいいと言えない私もチキンですみません。検診ではしっかり言ってます。。

もともと高リスク群の、家族に股関節の病気を持っている人がいる秋冬生まれの女の赤ちゃん には特に使わないで欲しいです。

(追記:狭いバウンサーでほぼ一日中過ごしている赤ちゃんを先日診察しました。非常に股関節が固く、正常な赤ちゃんのようにM字に開きません。経過観察中です。バウンサーに乗せる際には、メーカーの示す時間を厳守して下さい。厳守しない場合は自己責任となります。)

スリングで先天性股関節脱臼になった赤ちゃんを見たことがない?!

「スリングで先天性股関節脱臼になった赤ちゃんを見たことがない」という助産師さんの言葉に、だまされないでください。うちは大丈夫だったという口コミを盲信しないでください。

3、4ヶ月検診で股関節の開きが悪く、ひっかかるグレーゾーンの子どもたちが増えています
この子たちは、助産師のところには受診しません。小児整形の病院に紹介されます。
なので、助産師さんにフィードバックされることはほぼないでしょう。

スリングやおひな巻きを紹介した人たちは、あなたの子供が股関節脱臼になったとき、責任をとってくれますか?
あなたの子供がリーメンビューゲル装具をつけ、もしくは下半身にギプスを巻いた時、手助けしてくれるのですか?
手術が必要になった時、お金を出してくれるのですか?

どうか赤ちゃんの足が自由に動かせるようにしてあげて下さい。

窒息予防にせめて補助板を?

小児整形外科がスリング禁止の方針を出し、スリング協会は品が売れなくなったら困るので、
正 し い 装 着 方 法 を 使用者に指導する
というところで 落とし前をつけたようですが、それでも窒息死などがあり、補助板の販売が始まりましたが、ほぼ形だけで出回っていません。

スリング使用の正しい抱き方は…

第一子妊娠中には、もしかしたら使うかもしれないから、と、上司が心配して(?)、論文と、スリングの使い方の書いてある紙をくれました。
正しい抱き方は、抱っこする人の身体が赤ちゃんの股の間に入り、赤ちゃんの足がM字に開く形のコアラ抱きです。

こんなことを書いている私ですが、ベビースリングの試用経験はあります。
ただ、不器用なのか、スリングで、股を開かせるような 正 し い 使い方を すると、抱っこが不安定になってしまい、転落の危険性を感じたので、数回でやめました。
実際、ベビースリングから転落した赤ちゃんを救急で診たこともあります。
自作するとバランス崩しやすいんですかね?

流すような横抱きは脱臼のリスクを上げます
 
スリング協会がいうところの正しい使用方法を守っている(というか、知っている)ママさんたちはどれくらいいるのでしょう。
「好みの使い方にアレンジしていただいて結構です」「必ず手を添えてだっこしてください」「しゃがむときは膝を曲げて下さい」などと書いてある商品を買ってませんか?

手を添えてだっこするならスリングは不要ですよね。膝を曲げずにかがんで転落したら自己責任って暗に書いてますよね。素人が販売してるので、自己防衛が甚だしいですね。

まぁ、手作りで商品の説明もうけずに作ってしまうのに、正しい使用法を啓蒙するって可能なの?

そもそも、ベビースリングやおひなまきで股関節脱臼が増えてきたという学会報告は、私の学生時代ですから、こんなに年月が経って、まだ廃れていないのが悲しいです。

スリングで窒息死という残念な結果

アメリカでもカナダでも、生後4ヶ月未満ではスリングを使わないようにガイドラインがあるようです。
その理由は、先天性股関節脱臼に加えて、顔が見えないほど覆われてしまい窒息死する事例の報告が続いたから。

もう買ってしまった方、お祝いに頂いてしまった方は、4ヶ月過ぎてから使い始めたらどうでしょう。
それなら検診の時期も過ぎてますし。
もし、股関節も未熟で生まれてきている未熟児ちゃんは修正月齢4ヶ月ということですが。

おひなまきでも先天性股関節脱臼や乳幼児突然死症候群になる?

おひな巻きって、おばあちゃんやひいおばあちゃんの知恵ですよね。
ぎゅうぎゅうにして背負って農作業していた頃、股関節の脱臼が多かった事実を、おばあちゃんやひいおばあちゃんたちは忘れてしまったのでしょうね。
そして、若い方々は、今同じようにギュウギュウに巻いて背負って農作業している国々や地域で股関節脱臼が多いという現実を知らないのでしょうね。
 
おひな巻きはうちの子(長女)には効果なかったので、数回トライしただけです。
ちなみに、うちの長女に効果があったのは、ユニクロのベビーダウン(人型の寝袋みたいなやつ)でした。
我が家がボロ屋で寒かったんでしょうか。ジャンプスーツ着用で朝までぐっすり眠った時の感動は忘れもしません。逆に心配したほどです。
足もバタバタ動かせますし、歩き始めの冬には外で使い倒せました。
真似される場合は、手か足のどちらかは包み込まずに ダウンの外に出しましょう。
手足両方を覆って暖めると体温調節できなくなるので、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクが数倍になるという論文を数年前に読みました。
真偽は不明ですが、念のため。


「気をつけ」の姿勢でぐるぐるに巻いて寝かしてる、なんて若い方がいらして、それは既にお雛まきやスワドリングですらないし、股関節の発育を阻害している以外の何者でもないんですが。。。
数ヶ月したら「なかなか歩かない」とか、数年したら「走るのが遅い」とか、心配し始めるんでしょうか。

検診でひっかかっているのにスリングは大丈夫だし、我が子が股関節脱臼するわけない、と盲信して使い続け、ずっと受診せずに来たのに、今更歩き方が変って受診されても…

あ、愚痴です。
でも、小児科学会の方が窒息死など、深刻な危険性の報告してますね。
股関節脱臼では死なないけど、 スポーツ選手にしたいのなら無理です( ・`ω・´)

今日はただの愚痴。
ただの愚痴でヘイトスピーチではないですよ。
我が家の周りが使っているのはベビービョルンが圧倒的です。
股関節が常に開くので、大腿骨(太ももの骨)が臼蓋(骨盤)にはまり込んだ状態を維持出来ます。
赤ちゃんがぐっすり眠っている時の足の形(M字型)に近い状態になる抱っこひもならどれでもOKです。
エルゴでも良いですが、偽物が多く出回っているので…

おひな巻きも スリングも、絶対ダメじゃないけど、やり方(巻き方)を間違えると危険という意識をどこかで持ち続けて使えると良いですね。

少なくとも、我が子を病気にするためにわざわざ使う親はいないでしょうから、必要に迫られて居るんだと思います。
巻き方指導がきっちりなされているサイトで勉強はして下さいね( ´ー`)