香川県豊島産廃事件の犯人松浦庄助の現在は?妻と息子は?

豊島事件をすっかり忘れていましたのでまとめます。
※2022年度(産廃特措法の期限)までに浄化が終わらない可能性が出てきました。
瀬戸内国際芸術祭、行ったことありますでしょうか。
私が行ったのは、研修医か学生の頃の夏休みだったと思います。
結構メインの島に豊島(てしま)という島があったのですが、年末にニュース見るまで、国内最悪規模の豊島不法投棄事件 を忘れていました。小学校くらいでは習ったと思うのですが。

豊島産廃事件

豊島産廃事件とは、ゴミの埋め立て業者と行政がグルになって島に産業廃棄物を大量に埋め立てた事件です。

豊島産廃事件を起こした会社は

豊島総合観光開発という名の産廃処理業者で、社長は松浦きよ子(妻)実質経営者は専務の松浦庄助です。
妻が社長で夫が専務という、昭和では少し変わった配置ですが、夫に前科があったため社長を妻にしたと噂されています。少し調べたのですが、真偽は分かりませんでした。

どうして豊島を選んだのか

松浦庄助の実父の松浦信一が、広島あたりから豊島に移住し、約 28.5 ヘクタールの土地(香川県小豆郡土庄町豊島 家浦字水ケ浦 3151 番地)を所有者していたため、その土地を利用したとのことです。

親(信一)の代から豊島住民になったようで、島への思い入れもあまり無かったのでしょう。
もともとは砂利の採取や埋立を仕事としていたようで、その資産で豊島の広大な土地を買い占めたのかもしれません。
堀り尽くしたので、もうかりそうな産廃に手を出したみたいですね。

不法投棄はなぜ暴かれた?

長い間豊島で暮らす人々を困らせ、現在も生活を脅かしている豊島産廃事件の不法投棄はなぜ暴かれたのでしょうか。
ザルのような行政と癒着した産廃業者や違法採掘業者による営業は、住民がいくら訴えても、マスゴミがリークしても、奈良みたいに山が崩れても、なかなか後手後手ですよね。
この事件では香川県の行政は機能していなかったため、 廃棄物処理法違反で強制捜査に着手したのは兵庫県警です。
県をまたいで告発出来たのは、瀬戸内海の島だったから。瀬戸内海の海域にはいろいろな県の所轄範囲が混在するからです。
瀬戸内海の島という極秘に不法投棄しやすい条件が、逆に「瀬戸内海国立公園におけるミミズ養殖を仮装した数十万トンの産業廃棄物の不法処理(1990年)」という「瀬戸内海」という規模での告発条件になっているという、なんともパラドックスな感じですね。
また、このときの兵庫県警の本部長は、国松警察庁長官だったとか。
後に オウムにおそわれた方ですよね。やっぱり、行政などの圧力に屈せず、悪を暴くという正義の警察官がいないと、行政を買収しグルになる企業を処罰することは難しいのだと思います。
苦労話などはこの書籍が詳しいです↓

松浦庄助の現在は

さて、そんな悪徳事件を起こした張本人たちは今現在どうしているのでしょうか。
1997年の四国新聞には、豊島総合観光開発株式会社実質的経営者の松浦氏は 香川県土庄町豊島の産業廃棄物問題で、豊島住民らの申し立てにより岡山地裁から 破産宣告を受けたと書かれており、
松浦庄助 氏(=岡山県玉野市在住)
 と記載されていたそうですが、その後は岡山県内に住み続けているのか途中までしか情報がありません。

また、1994年の産業廃棄物をめぐる初めての国の公害調停(高松市西宝町のラポール・イン・タカマツ)が行われた際、 
取締役松浦庄助(60)
との記載あり、2018年現在は84歳程度と考えられるので、男性の平均寿命を鑑みると、既に生存していない可能性もありますね。
息子さんがいらっしゃるそうですが、名や顔が割れているので近くには住んでいないと思いますが情報はありませんでした。

どちらにせよ、行政はきっちりと負の遺産を抱えた豊島の賠償と可能な限りの復帰作業に尽力して欲しいものです。また、第二第三の豊島をつくらないために教訓にして欲しい、と思います。

瀬戸内国際芸術祭と豊島

 私が瀬戸内国際芸術祭に行った際には、直島の草間彌生さんのドットで彩られた赤カボチャもインパクトが有りましたが(ルイヴィトンなどとコラボするだいぶ前だったので初めて見たので…)、宇野港にあったゴミで出来た大きな魚のモニュメントも同じくらいインパクトが有りました。
淀川テクニックさんの宇野のチヌという作品で、そのときは、近づくとゴミ?で出来ていたので驚いたのですが、これって豊島の産廃事件からインスピレーションを受けた作品だったのでしょうか。
ゴミを包括し、それでも美しい豊島」を意味しているのか、「美しい豊島、でもよく見るとゴミに汚染された島」 という意味なのか、妙に今更気にかかっています。
美術館についてはこの書籍が詳しいので興味があればどうぞ。

産廃の搬出完了は嘘だった!!

H29年3月28日、不法投棄されていた産業廃棄物の撤去作業が完了しました。
今までの時系列は下記参考にして下さい。 
追記:県の想定よりも地下深くまで産廃が埋められていたため、追加の産廃が発見されています。
昭和50年代~平成2年 松浦ファミリーが産廃を不法投棄
平成12年(2000年) 島民と香川県で公害調停が成立
平成15年(2003年) 産廃・汚染土壌を搬出開始
平成25年(2013年) 産廃搬出完了予定であったが予想より多く、完了せず。
平成29年(2017年)3月 4年遅れで搬出完了(計約90万8千トン
↑実は搬出及び調査完了しておらず虚偽報告!!
平成29年4月 産廃・汚染土壌の総量が91万トンに訂正される
追加調査続行
平成29年 5月 直島の処理施設での処理が完了せず
平性29年 6月12日 無害化処理の完了
平成30年2月 追加調査で汚泥115トンが見つかった
平成30年5月 4月からの追加調査で汚泥や金属塊計約495トンが見つかる
追加調査で見つかった汚泥や金属塊は今もなお豊島に放置中
平成30年6月 地下水の70%以上が基準を超える
2022年 産廃特措法の期限
産廃業者、香川県と戦い続けた「豊島住民会議」の皆様、ひとまずお疲れ様でした。
なお、処理作業は隣の直島で行われており、29年の5月に完了予定でしたが、予備日を含めて6月20日の完了予定に訂正され、順調に処理がすすんだ結果、6月12日に無害化処理が完了となりました。
<追記>
搬出完了との報道及び報告は虚偽であり、浜田県知事の指示により追加調査された結果見つかった処理されていない廃棄物が今もなお豊島に放置中とのことです。
なお、隣の直島での無害化処理施設は解体中で、この追加発見された産廃の処理方法は未定です。

現場穴だらけ、地下水は汚染水のまま

投棄現場6.9ヘクタールは原状回復されておらず、掘ったままで穴だらけで、もともとの砂浜とは程遠い状況です。
また、ボーリング調査によると、地下水汚染は西側がひどく、東側はほぼ未調査
地下水から検出された有害物質は最大で環境基準の2200倍との報道もあり、今後の課題となっています。

産廃問題の終着点はどこに…

松浦ファミリーによるゴミの不法投棄現場は、もともとは【瀬戸内海国立公園】に指定されているほど自然豊かな場所。
住民側は、調停条項の前文で瀬戸内海国立公園という美しい自然の中でこれに相応(ふさわ)しい姿を現す」と述べられているとして、汚染地下水を飲料水レベルへ浄化するのが相応だと希望している。
逆に県側は、 公害調停の条項で「海水が浸入しない高さとしたうえ、危険のない状態に整地」とされている(本文では、原状回復や地下水の浄化について具体的な取り決めがなされていない)ことを盾に、穴を埋めて地下水は工業排水レベルに浄化して海へ垂れ流す方針を示している。
当然、両者の溝は埋まるはずもないが、汚染された更地が瀬戸内海国立公園の一部というのはなんとも…

今回の記事は下記サイトや文献を一部参考にしております。
ありがとう御座いました。