YBCより日本製オレオと日本製リッツが再販(追記)
遂にナビスコの呪縛(←詳しくは後述)が解かれ、日本製リッツと日本製オレオが再販となりました。出荷は予想通り2017年12月1日、販売開始は12月4日でした。
以前の日本製オレオ、リッツとの違いは?
私は、自分の身がかわいいので、今現在発売中のナビスコの中華製オレオとインドネシア製Ritzは食べていませんので、以前のヤマザキナビスコ時代のものと比較レポします…日本製リッツ(ルヴァンプライムスナック)
サイドのギザギザも穴の個数も同じです。YBCの方が、穴の空き方が等間隔な気がします。比較したのは、ヤマザキナビスコ時代の保存缶(非常食)の日本製Ritzです。厚みも差がないですが、Ritzの方がややサクっとしていて、Levain Prime snackの方がやや塩味が強い気がします。
生地内に塩分を練り込むか、生地上に付けるかの違いかもしれません。
日本製オレオ(YBC ノアール)
オレオよりもビスケット部分が薄く、オレオはザクッという感じでしたが、こちらはサクッパリッという感じです。クッキーのサイドにあったギザギザは無くなってます。クリームはホワイト。
オレオはビスケットもクリームも甘いですが、Noirはビスケットはビター、クリームはしっかりした甘さとなっています。
ビスケットの真ん中にはもちろんOREOではなくYBCの刻印が。
そして、YBCの文字のまわりの模様は日本製をアピールする桜模様です。
長かった日本製オレオと日本製リッツまでの道のり。
この騒動をおさらいしておきます。
ヤマザキナビスコ離散問題って?
ヤマザキナビスコとは、ヤマザキとナビスコと他1社の共同で1970年に立ち上げられた、日本でビスケット類を製造販売する会社です。経過途中でナビスコはモンデリーズ・インターナショナル社の傘下になったようで、ナビスコとの契約は1988年に解消されているようですが、ヤマザキナビスコはモンデリーズ・インターナショナル社との間でライセンス契約を締結し、「ナビスコ」ブランドの使用許諾を受けて、日本でオレオやリッツなどを販売していました。
そして、サッカーのタイトルカップに「ヤマザキナビスコカップ」と名前をつけたりして、オレオやリッツを含めた「ナビスコ」という社名をどんどん宣伝広告し、知名度を上げ、日本での売上を伸ばしてきました。
しかし、日本での知名度が十分に上がったと判断したモンデリーズ・インターナショナル社は、ヤマザキナビスコとのライセンス契約を終了することを決め、平成28年8月31日付けで長年に渡るライセンス契約は終了をむかえました。
そして、ヤマザキナビスコは、平成28年9月1日に、商号をヤマザキビスケット株式会社(YBC)に変更することになりました。
売れない中華製オレオ、インドネシア製リッツ
モンデリーズ・インターナショナル社の誤算
日本の会社を売名行為、宣伝行為に使用し、知名度が上がった所でライセンス契約を一方的に解除するのは、海外の会社がよくやる手法です。モンデリーズ・インターナショナル社は、「ライセンス契約は解除するが、今までの工場は使用させてくれ」とYBCに要求していたようですが、もちろん断られました。当然ですよね…
そして、他の日本企業の工場とも掛け合ったようですが、全ての日本国内の工場に断られたようです。
そのため、原産国が日本のオレオやリッツは実現しませんでした。
外国産の新オレオ、新リッツの味は?
モンデリーズ・インターナショナル社は日本向けに開発したとしている新オレオ、新リッツですが、クリーム、ビスケットの食感や甘さなど、旧商品とは違う海外のお菓子っぽい味になっているようです。私は怖くて買ってませんし、口に入れていませんが。
やはり、味の変化と原産国の変更により、新ナビスコリッツとオレオは大打撃を受けているようで、ネット上のグラフでも売上が低迷していることが確認できます。
私の近所でも、売り場縮小や売れ残り、安売り、たたき売りの対象になっています。
オレオは格安販売のモラタメなどにも出てくるようになり、在庫が多く残っている様子が確認できますね…
YBC のルヴァン、ルヴァンクラシックの形が変!
YBCのルヴァンやルヴァンクラシックは好調な売上を見せ、形を除いてナビスコリッツの後継品になっています。ルヴァンが従来のRitzのような円形でないのは、ライセンス契約解除後の販売制限がライセンス契約時に盛り込まれていたためです。
商標ライセンス契約解除後の販売制限って?
ヤマザキナビスコの契約内容は?
ヤマザキナビスコはモンデリーズ・インターナショナル社と、商標及び(製造)技術に関してライセンス契約を交わしており、さらに、海外事業の禁止、競合商品販売の禁止の契約もしていました。商標のそもそもの定義は以下です
人の知覚によつて認識することができるもののうち、文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音その他政令で定めるものこのため、Ritzの後継品としてYBCが出してきたルヴァンやルヴァンクラシックはRitzと同じ円形(図形)で作ることが出来なかったのです。
(商標法2条1項柱書)
(もちろん、原材料の配合等や製法も変えているでしょうが)
ちなみに、膨らみ方や厚み(立体的形状)は酷似していますが、リッツ特有のものではなく、一般的なクラッカーは同じように膨らむので、商標侵害にはなりません。
YBCからオレオ風のビスケットが販売されなかったのはなぜ?
2017年11月まで、YBCはオレオの後継品を販売していませんでした。これは、オレオの商品形態自体に自他商品識別力があるためと思われます。オレオは、黒白黒の独特のカラー(色彩)があまりにも有名で世界的にも知名度が高いため、パッケージが無くむき出しで、クッキー部分のOREOの刻印が見えない状態であっても、多くの人がオレオだと認識出来ます。
このため、多少クッキー部分の形状を変えたくらいでYBCが販売してしまうと、競合商品販売の禁止を侵し、訴えられる可能性すらあります。
類似商品の販売製造の制限はいつまで?
ヤマザキビスケット(旧ヤマザキナビスコ)の公式文書には下記の記載があります。平成29年12月1日以降、契約終了に伴う上記4ブランド 製品の類似製品の製造販売の制限が解除されますので、競合品の開発を視野に入れつつ、 自社で開発した技術を最大限活用した新製品を発売する予定であります。
出典:ヤマザキ・ナビスコ㈱のライセンス契約終了に伴う商号変更等のお知らせ(pdf)
2017年12月にYBCよりオレオ風クッキーが販売開始?
公式文書を読む限り、販売制限は2017年11月30日まで有効で、オレオ風ビスケットの製造販売制限が12月1日以降は解除されますので、日本製オレオや日本製リッツが食べれる日はそう遠くないのかもしれません。追記!日本製リッツと日本製オレオが再販!!
遂にナビスコの呪縛が解かれ、日本製リッツと日本製オレオが再販となりました。その味はご自身でお試しください。
日本製なので安心して口にできます。